GNSS測量

Surveying by GNSS

GNSS測量について

GNSS(Global Navigation Satellite System / 全地球衛星測位システム)とはGPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等を用いた測位システムの総称です。複数の人工衛星がそれぞれ送信する時刻情報つきの信号を比較し、電波を受信した僅かな時間差を計算することで現在地の座標を算出してます。
GNSS測量では観測点間の視通が不要ですので、現場と既知点が何Km離れていようとも必要な箇所に必要な点数だけの基準点を設けることができます。天候の影響も受けにくく、小雨程度では問題なく観測することができます。また、観測者が器械を覗いたりするものではありませんので、夜間の観測も可能です。視通確保のための伐採も必要が無く、経費削減はもとより環境保護にも役立ちます。

上記のようにGNSS測量は優れた測量方法ではあるのですが、状況次第ではGNSS測量の実行が困難な場合があるので注意が必要です。下記が観測困難な状況の一例になります。

 規定数以上の人工衛星が得られない場合
 地形や建物、樹木等により上空視界が遮られてる場所
 電波塔や高圧線など受信障害の考えられる場所
 衛星電波の反射(マルチパス)などの反射障害の恐れのあるトタン屋根や、大きな看板などの金属製品や高層建築物の付近

GNSS測量方法 適 用
スタティック法(120分以上の観測) 1~2級基準点測量(10km以上)
スタティック法(60分以上の観測) 1~2級基準点測量(10km未満)
3~4級基準点測量
短縮スタティック法(20分以上の観測) 3~4級基準点測量
キネマティック法 3~4級基準点測量
RTK法 3~4級基準点測量
ネットワーク型RTK法 3~4級基準点測量
備 考 観測距離10km以上の場合は、1級GNSS測量機により2周波による観測を行う。ただし、節点を設けて観測距離を10km未満にすることで、2級のGNSS測量機により観測を行うこともできる。

※作業規定の準則 37条2項で定められた、観測方法と適用等級

スタティック法を用いた基準点測量

高い精度を誇るスタティック法での基準点の設置!2級基準点まで対応致します!

概 要

スタティック法は複数の観測点にGNSS測量機を整置して同時にGNSS衛星からの信号を受信し、それに基づく基線解析により測点間の基線ベクトルを求める観測方法です。

観測時間は長くなりますが、非常に高い精度を誇り、また基線が長くても精度は劣化しにくく、設置箇所においても相互視通の必要はありません。

60分以上の観測を行う事により2級~4級基準点の精度を確保できます。また短縮スタティック法では20分以上の観測で3級~4級基準点の精度が得られます。

GNSSアンテナの設置
スタティック法による2級基準点測量

スタティック法による基準点測量

基準点を設置したい場合など、従来であればトータルステーションを用いて既設の基準点や山頂の三角点から基準点の設置を試みるのですが、GNSSを用いたスタティック法の実施では新点の観測のみで基準点を設置することができます。

要求される基準点の等級や用途に応じて、スタティック法、短縮スタティック法を実施します。簡易基準点程度であればRTK法、ネットワーク型RTK法などでも基準点を設置することが可能です。
設置した基準点を基に、現況測量や用地測量など、様々な測量業務に活用していくことができます。

各種の計測作業に幅広く対応!ネットワーク型RTK法(単点観測法)

リアルタイムで位置情報を取得!即座に座標値を求めることができます!

概 要

単点観測法(ネットワーク型RTK法)は位置座標を求めたい点の上にGNSSアンテナを立てGNSS衛星から電波を10秒程度受信するとともに、携帯回線等で国土地理院の電子基準点の観測データを用いた補正情報等を取得、解析することで即座に座標値を求めることができる測量方法です。
作業規定の準則、第37条2項においてネットワーク型RTK法は3~4級基準点測量に適応しています。また、ネットワーク型RTK法を用いた基準点測量実施の際は往復観測を行い、重複による基線ベクトルの点検が義務付けられています。
しかし、基準点測量ではスタティック法の方が精度は優れており、弊社においては、ネットワーク型RTK法を用いた基準点測量では山間部などへの簡易基準点等の設置に限定しています。

単点観測法による4級基準点測量

ネットワーク型RTK法を用いた測量業務

簡易基準点

山岳部や山間部の植林帯などに単点観測法を用いて簡易基準点を設け、その後の作業の基準とします。精度は4級基準点程度を確保しています。

広範囲に及ぶ調査

上水、下水道マンホールなどの位置を把握するために行う広範囲に及ぶ調査などの場合、従来であれば、その広範囲を補う基準点測量を行う必要がありましたが、単点観測法を用いることにより基準点を設置することなく座標の取得が可能になります。

TSとの併用による作業

上記等の調査などにおいて、場所によっては木々や家屋に妨害されて上空視界が不明瞭な場合も想定されます。しかし、トータルステーションと併用して運用することにより作業を効率よく進めることができます。ネットワーク型RTK法による基準点測量を行い、新設した基準点から上空視界不明瞭で単点観測法では観測ができなかった位置の座標をトータルステーションで観測するという方法です。しかし、求められる精度によってはスタティック法での基準点設置を考察する必要があります。

単点観測法による求点の座標取得

保有機種

名 称 : TOPCON社製 2周波GNSS受信機
機種名 : Hiper  SR 2013

名 称 : TOPCON社製 データコレクタ
機種名 : FC-500